続★さだっちょんのドンブラコ岩手生活

横浜から岩手に移住し早○年。カヤック&農作業ほかお外遊びなら、なんでもOK!
 
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大いなるシリエトク〜知床シーカヤックシンポジウム第2章〜 22:54
相泊・・・羅臼の町から知床岬に向って海岸沿いに伸びる道路の終点、
そこにある小さな番屋が今回の出発地点だった。

北は北海道、南は九州まで40数名の参加者が、その北の果ての番屋に
集結したとき、この知床シーカヤックシンポジウムを主催したカヤック・ガイド、
新谷暁生さんはこういった。

「オレは、ホントに嬉しいよ。みんな、ありがとう」
まだ、ゴールどころか漕ぎ出してもいないのに・・・である。

それほど意味のあることだったのだろう。

この世界自然遺産に登録されたばかりの最果ての地、知床。
世界遺産って・・・いったいなんなんだろ?
なんのための世界遺産なんだろ?
そんな困難極まりない問題を、カヤックって視点からいろいろ考えてみるのが
このシンポジウムの趣旨だった・・・ような気がするけど
アタシは知床から無事に戻った今もなお、その答えが出せずにいる。

知床は、日本で唯一の道路のない海岸線が伸びるエリアだと
海洋ジャーナリストの内田正洋さんは言う。
知床のパンフに象徴されるヒグマやオジロワシ、カラフトマスといった
野生動物がのびのびと暮らしている。

それゆえ人の出入りは厳しく規制される。
当たり前のことだ。
人って、もしかしてこの世で一番弱い生き物かもしれない。
弱さをカバーするために、知能を与えられた。
だから道具がつくれたり火を操れたりする。
そして、人など太刀打ちできないものに興味がわいたりする。
だから「世界自然遺産」なる場所へ行ってみたい。

・・・それがアタシも含めて知床に住んでない人から見たおおよその動機ではないだろうか。

世界遺産指定地域に人の出入りを禁止するのは、たやすいことだ。
それが一番、今の自然の状態が守られる。

だけど、もう一つ忘れちゃいけないことがある。
それは、この最果ての地で自然の猛威と隣り合わせに生活してきた人、
そして、これからもこの地で生活していこうとしてる人たちがいるってことだ。

漁業者は当然のことながら、世界遺産をめぐる観光業もこの地に生きる人に
とっては貴重な収入源になる。
だからウトロ側には、ものすごい数の観光バスと観光船が行き来する。
観光船を出さなければ、観光客は知床を代表する自然の景観や野生動物に
出会うことができない。
「なーんだ、せっかく来たのに、なんもないじゃないの。
パンフにいっぱい載ってる野生動物なんか全然見られないじゃないの」
ってことんなる。

世界遺産登録をめぐって、林野庁、環境省、観光業者、漁業者などそれぞれの立場で
議論が繰り返され、この地でのカヤックはあやうく排除されそうになったけれど
逆風の中で新谷さんはがんばってきた。

北海道ではプレジャーボート(これにカヤックも含まれるらしい)の漁港立ち入りは
禁止だし、浜での焚き火も禁止されている。
そんなカヤックには甚だ不利な状況の中で、新谷さんは他に先がけて
知床を回るカヤッカーのための水路誌をつくった。
カヤックの知床ルールのたたき台とするために。

この水路誌に掲げられていることを守りさえすれば、カヤックはほかの何よりも
知床の自然を傷つけずに、そのすばらしさを身をもって体感できる道具だと思う。

知床の本当のすばらしさは、その厳しさにあると新谷さんは言い切る。
知床半島は、風の半島といわれている。
延々と先端まで延びる知床連峰の唯一の谷間ルシャからは
ものすごい出し風が吹く。
時にはゴメ(カゴメ)や海鵜さえも太刀打ちできず沖へ跳ね返されていってしまう
ほどだそうだ。
風は、カヤックにとっても強敵だ。
波よりも風のほうがオソロシイ。
いともカンタンにパドルの動きをかっさらうし、艇を転がしていく。

新谷さんたちのかつての悪条件での知床エキスペディション体験談を聞くと背筋がぞっとする。

幸か不幸か、この30数艇の大船団による前代未聞の知床カヤッキングでは
この暴風に遭遇することはなかったけれど、とにかくあたしたち全員は、
息を呑む断崖や滝、壊れかけた番屋、おびただしい数のカラフトマスの遡上、
トドや鹿の骨、ヒグマが食い散らかしたマスの無残な姿やヒグマの便、
そしてヒグマ張本人などを目の当たりにしながら漕ぎ続け、毎日どこぞかのゴロタ浜に
キャンプを貼って食事し、排便し、5日間かけて無事半島を回り終えた。

アタシや三陸メンバーは、ふだん三陸を漕ぐとき、ものすごい景色が現れると
「出たーーーー!」と叫んだり奇声を発したりする。
知床でも、最初は同じようにしていた。
けれど、日々目の前に現れる自然景観や野生動物の営み、あまりのスケールの大きさに
圧倒されて、もうホントすみませんってかんぢで、しまいには声を出すのすら忘れてしまった。
エンジンも何も使わない手漕ぎえっちらおっちら移動は、あまりにもチッポケすぎて、黙ってると吸い込まれそうな不安になり、最後にはとにかく、思いつく限りどうでもいい歌ばかり歌いながら漕ぎ進んだ。

毎日の食事は、大きな鉄板の上に流木を集めて焚き火を起して調理し、その後みんなで
暖をとりながら語り、飲み明かした。
トイレに行くときは、女の子同士声をかけあって石を叩いたり、歌を歌いながら
用を足しに行った。
ヒグマに我々の存在を知らせ、お互いが無事に過ごすためのルールだった。

漕いでいる間、10秒ごとに振り返って全体の中の自分の位置を確認することや、
なるべく岸よりギリギリを漕ぐことも、また一つのルールだった。
「ルール」というと堅苦しく感じてしまうけど、こうしてみると
別にたいしたことではない。

この奇妙な集団生活、まるで難民キャンプのようでもあったけれど、年齢も性別も境遇も違う初対面の40数人が、なぜかなんとなく肝心なところでは一つのクラスのように・・・
いや、それ以上にまとまっていたように思う。
ルールさえ守れば、あたしたちはかなり自由で、上陸して着替えたりテントを設営したり自分の身の回りを整えた後、疲れたものは眠り、料理を手伝うものは手伝い、コーヒーを飲みながらお互いの境遇を語り、ヒマなものは何もない浜ならではの原始的な遊びを見つけて子供のように楽しんだ。

信じられないことに、脱落者もケンカもいさかいも、ルールを破るものもいなかった。
厳しい自然の中で生活してること、これを成し遂げるためにはチームワークが必要なことを、無言のうちに新谷さんと知床ザ・ウィルダネスが教えてくれていたのかもしれない。

翌朝キャンプ地を出るとき、どんなに前夜呑んだくれていても、あたしたち40数人は
ルールに従って排泄物以外、ゴミも食べカスも焚き火跡の一つすら残さなかった。

今、知床をカヤックで回る人は年間で100人程度。
知床財団は、これぐらいの人数の排泄物なら自然浄化に耐えうるという見解を示している。

この5日間を通じて、つくづく人間なんちゅーもんは、でっかい自然の中のほんのちっぽけな一部に過ぎないってことをカラダで学んだ。
よくよく考えてみると、そもそも昔の人は、いつもこーした自然の中で暮らしてきたのだ。
知床は、ただ、そんな単純なことを五感で思い出させてくれたに過ぎない。

ウトロのゴールが近づき、近代的なホテルという人工物が見えたとき、なんかとてつもなく悲しくなった。
でも、その一方で、キャンプ中ずっと恋焦がれてたキンキンに冷えたビールにあつあつ温泉は、やっぱりなんともいえずサイコーだった!
 

カヤックって・・・今となっては遊びに過ぎない。
でも、昔ながらの道具のほとんどが近代化して消えうせた今もなお、なぜ少数ながらも
カヤックを漕ぎ続ける人がいるんだろ。

カヤックって・・・弱い人間が本能として忘れちゃいけないすんごく大切なことを教えつづけてくれる、ものすごいモノかもしんない。
己のちっぽけさを知り、到底かなわないものに対して謙虚な気持ちで臨むこと・・・
そんなようなことを教えてくれる場所の一つが知床ならば、アタシは知床でカヤックを続けていく意義が十分あるように思う。

最終日に羅臼町公民館で開かれた知床シーカヤックシンポジウムのパネルディスカッション。
羅臼町役場や知床財団、羅臼ビジターセンター、海洋ジャーナリスト、バイダルカ製作者、首都圏のシーカヤック・ガイドなどがパネリストに並んだ。

多分だけど、自ら水路誌を手がけ、知床に関わる異業種の人ととことん話し合いを重ねてきた新谷さんにとって、40数人のカヤッカーが無事に知床を回りきったうえ、さらに異業種の人たちが同じテーブルについてカヤックについて話し合えたこと、それが最大の成果だったのではないかと思う。

このシンポジウムは、北海道新聞など道内のメディアでも大きく取り上げられた。

これからも知床のカヤックは、いつだって危険と隣り合わせだろう。
だけど、今回の出来事によって、何か大きな前進をしたはずだ。
きっと知床のカヤックは排除されることなく、その可能性を広げていけるに違いないと思う。

カヤックの問題よりも心配なのは・・・むしろ山やほかの観光業ではないだろうか。

今斜里町ウトロを中心に活発になっている観光船ってどうなんだろう。
ものすごい音と排煙と何百人もの排便を一度に大量に撒き散らしながら、1日に何隻も
全速力で半島を駆け巡っていく。

立ち入り禁止のはずの浜に、なぜかRV車が停まり動物たちを撮影しているクルーがいる。

話には聞いていたけど、それはホントのことだった。

知床連峰最高峰の羅臼岳頂上は、シーズンは人口過密で渋滞するそうだ。
頂上手前の羅臼平はすでに巷では「ウン○平」と呼ばれている。
登山口の木下小屋にしかトイレはなく、携帯トイレの使用も義務付けられていない。
だけど・・・急登の末にたどりついた頂上からの景色は限りなく絶景だ。
翌日の筋肉痛はすさまじいものがあったけど、そんでも苦労して登る価値オオアリの
山だと思う。

それなのに・・・肝心のルールがない。

誰のための、なんのための世界自然遺産なんだろ。
その答えは、カンタンじゃない。

シンポジウムを無事終えてアタシたちを空港へ送る頃、
新谷さんは、声が枯れてほとんど出なくなっていた。
エネルギーを費やしきったのだろう。

カヤック以外に、様々な立場で知床に関わる人たちが今後、この世界自然遺産について本気で考え、話し合って、これから知床に関わっていく人も動物も植物も、みんなが快適に過ごせるような、よいルールづくりがちょっとずつでも進んでいってくれればと願うばかりである。

海外なんかでは、フツーにやれてるんだから、ニッポンでもやれるはずだよね。
きっと。



・・・・・・・・・・とまあ、なんだか今日はえらそうなことばっかり言っちゃった
小娘だけど、結局のところ、正直言うとやっぱり・・・

もう一度、風の知床、めちゃくちゃオソロシくて声も出ないような知床を
漕いでみたくてたまらない今日このごろなのである。
(・・・マゾかよ)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★

aidomari

羅臼の町から岬へと向う道路が終わる場所、相泊。
ここが出発地点


ussannfalt
シンポジスト内田正洋さんはファルトボートで参戦(アルフェック・エルズミア)


ussangokigen
無事出発。ゴキゲンうっさん。


daisendan
景色に溶け込む美しい大船団!
アリュート再現か?


kayakujisannohama
朝日に輝くカヤックじいさんの浜。
海の向こう、ホント近くにクナシリ島が見える


ramen
食事は、鉄板を敷いて流木の焚き火で調理。
生姜入りラーメン激ウマ!
お代わりの順番は、守りましょう。
(・・・はい、すびばせん!!!)


bui
アタシの大好きなヒカリモノ
ガラスのブイもたくさん見つけました〜〜!


masu
カラフトマスの遡上!!
すんげーーー!の一言。
カヤックの脇を下をものすごい速さですり抜けて行きます。
コーーーフン!
・・・おぢづげ!!!


odakimedaki
言葉を失う美しさとは、このこと・・・男滝・女滝の浜。
さだやっこ、もはや絶句です


misakitosada
3日目。いざ知床岬越え!
肝心のところで、なんだよ、このヘンな顔は・・・。


misakiwokoetaminnna
岬を越えた直後の仲間達と記念ショット。


otiaiwan
あれ?岬を越えて安心したのか急遽予定よりずっと手前のキャンプ地となった落合湾。
小さな浜がまるでカヤック銀座?集合住宅?
すごい風景だーーー
ありあまる浜での時間に合唱部結成。
世代を超えて全員が歌える歌は・・・ずばりサザエさんでした


kare
岬越えのご褒美?
知床特製カレー!にんじんゴロゴロ
タマネギのうまみがしみこんでます。


kankosen
ウトロ側は観光船が行きかいます。
見える?この写真の中だけで3隻いるんだけど・・・
カヤック船団は、邪魔にならないように岸よりギリギリを固まってソロリソロリと移動


kasyuni

すごい勢いで海へと落ちるカシュニの滝。
カヤックでくぐっちゃいました〜〜。
って、実はさだやっこ艇、ものすごい風圧の滝つぼにはまって
身動き取れなくなり、新井場大センセにカラダをはって助けて
もらっちゃったんですけどね。だはは。
えろう、すんまそ。


takoiwa
1日遅れで美しきヒグマの通り道、タコ岩に到着。
おっかねって!
羅臼側では見られない美しいサンセットに、一同感動。




yakinikupaty

な、なんと!キャンプ4日目にして肉が食えるとは!
新谷さんに秘訣を聞いたところ、塩漬→真空→冷凍してカヤックに積んできたものだそうな。
うまかーうまかーーー




kuma
いよいよ、ゴール・ウトロを目指す途中。河口でマスを狙うヒグマを何頭か目撃。
驚かさないようただ黙って通り過ぎるカヤック船団だけど、ヒグマくんたちったら
リアクションがそれぞれ違っておもしろい。
しばらく不思議そうに様子を見ていて慌てて逃げ出すのや、まったく無関心でマスに夢中なやつ。
そして子供を守ろうとする親グマ・・・



masu2
狙われるのはこやつら。



sinyaviolin
無事ウトロについて一安心。
バイオリンを弾く新谷さんと、シンポジウマー内田さん、州澤さん、柴田さん


はー・・・疲れた。
ってことで、つづく・・・(のか?)

他のシンポジウマーさんのブログも、ぜひチェックしてみてください!
Intune paddleの店主さん
*世界的な視野から知床が語られています。ツワモノ本領発揮!
paceさんのBOWZ日々是好日
*アタシとは見る角度の違うステキな写真がたくさん!
 ワインバーとかワインバーとかワインバーとか・・・
| 知床シーカヤック | comments(7) | trackbacks(1) | posted by さだっちょん
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Comment








おいおい!酒の話だけかよ
言葉は、たくさん打ち込むの面倒なので
写真ブログになっておりやんす
人それぞれの知床があって面白い
ご紹介痛み入ります
posted by pace | 2006/09/26 12:26 AM |
sadayaccoさま>御紹介ありがとさんです。つれづれなるままにちょっとだけ爆弾を投下するのがワタクスの任務かと・・・。

そうそう知床カヤッカーのほとんどはマゾヒストというアンケート結果が届いていますよ(←いつのアンケートだよ!)
posted by takabook@intune paddles店主 | 2006/09/26 1:31 AM |
paceさん>だって・・・ワインバーの写真がないんだもん。ぐすん。
しっかし、ホント三者三様の表現でおもしろいですね。

takabookさん>takaさんのアップを見てあたしもちょっとマジメモードで書いてみたとこでした。
マジメなことほど書きづらいのはなぜだろう。

しっかし、そんなアンケートがあったとは・・・
で、ユーコン行きたいです。
posted by さだ | 2006/09/26 8:41 PM |
知床を漕ぐと、遥か昔は人間も自然の一部だったんだなあ・・・と感じます。
知床カレー、皮付きごろごろ人参がいいよネ〜、美味しかったー♪
takabookさん、アンケート話、オモシロイです(笑)
posted by ina | 2006/09/26 10:32 PM |
さだやっこさま>ユーコンならまかせてチョ。いつでも案内しまっせ。ただし冬はイヤン〜。
posted by takabook@intune paddles店主 | 2006/09/26 11:29 PM |
おはるかぶりです。
すばらしい体験をされてますね・・・
月並みですが、それしか言葉が無いっす。

もう少しで知床ではカヤック禁止になるところだったんですね。
観光船がOKで、カヤック禁止というのも・・・変な話。になるところだったんですねー。
posted by にしやん | 2006/09/27 1:09 AM |
inaちゃん>知床カレーなつかしいよねーーー。
ラジオでも紹介しちゃいました〜〜・・・汗

takaさん>あたしも冬は身の回りの雪かきで精一杯です。
ま、みどりちゃんほどじゃないと思うけど・・・
でわ、いつかの夏にお願いいたします!

にしやんさん>ホントにオヒサシブリ!お元気でしたか?
アタシは相変わらず落ち着きないでーす。
posted by さだ | 2006/09/27 10:08 PM |
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北海道 土産として、チーズケーキはいかがですか?ANAの通販ショップで買える魅惑のスイーツ.北海道の大地が育
| ファーストフード Gメン | 2006/09/27 1:12 PM |
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